これからのSEO -実践篇-,ピックアップ

Googleアルゴリズムアップデートプロセスから読み解く
サイト運営者がやるべき事とは?

2013年06月13日 ネズミ1号:略称「T」
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Googleはスパムを排除するために日々アルゴリズムの改善をしています。ただ、ここで誤解しないで欲しいのは、個別のサイトに対してペナルティを課すためにやっているのはないということ。当たり前のことですが、検索トップページの総合的な価値を改善するためにやっているのです。サイト運営者にとっては名指しで「あなたのサイトは上位表示に値しない」と個別に攻撃されているように思うかもしれませんが、「サーチリザルトを俯瞰して品質を見る事でユーザーのQW意図に適切な結果がきちんと表示されているか」という一点においてクオリティ維持チームは日々精進しているのです。
検索結果品質を維持するため、各サイトの指標を比べ異常値を検出するための相対パターンを見つける事で、効率的にコンピューティングできるロジックを改善していると言っていいでしょう。



Google新しいアルゴリムローンチプロセスから
何をすべきか読み解く

  1. まず日々全世界の言語・文化圏、エリアごとにさまざまなQWやその意図について「サーチリザルトが適切であるか?」、「変なサイトが出現した際にそれはなぜか」ページランクスコアリング視点での抜け穴があるか、情報のポジショニング・品質視点、現アルゴリズムによるコンピューティングで例外的な事象が起きていないかなどさまざまな角度から試験的にサーチしてサーチリザルト品質が適切であるか情報収集しています。

  2. テストケースを元に品質に問題があると認識した際に、もっとも相対的に品質を維持できるロジックやパターンモデルについて検討します。

  3. そのモデルについて、インハウスで実際にテストケースを繰り返します。このプロセスでは、Quality Raterと呼ばれる担当により、サイドバイサイド(画面に特定QWの2つの検索結果を表示して、ケース毎の検索意図は何が適切か、またその結果として適切なサーチリザルトはどちらか?を統計的にデータ収集する試験)や、現在運用中のサーチリザルトを新しいアルゴリズムでのリザルトと対比させて適切であるか選択させるといったようにさまざまなデータを取得し、いろいろな角度からパターンモデルを立証すべくテストケースを繰り返します。

  4. 新しいアルゴリズムが複数のQuality Rator達の評価スコアをクリアしてはじめて実際のWeb上でスモールテスト(実施検証)が行われます。Googleはこれを「sandbox」と読んでいるそうです。
    ※sandboxとはプログラミングでいう他に影響を及ぼさないメモリ領域で実行するような意味だったと思います。

  5. 実証試験の中で実際のユーザーが入力するQWとそれに対するサーチリザルト、上位からのヒートマップ(ここではクリックスルーやスクロール行動など)対話型のケースデータを検証することで実際に改善予定のアルゴリズムがきちんと適切に機能し品質を担保出来るものに仕上がっているか判断します。

  6. 実証検証の結果を持って最終ローンチ審判チームを立ち上げ審議します。その審議の中で審判チームの全承認をもって、新しいアルゴリムが全ユーザーに対してロールアウトされます。

google-algo-validation-process.jpgEric Enge氏記事より

Google社の風景

こうしたプロセスを経て、毎年Googleでは500以上ものアルゴリズム改善がなされています。パンダだとかペンギンだとかで言われれる1.0だとか2.0だとかはマイナーアップデートで得たられたノウハウの集大成であるメージャーアップデートといえることが分かりますね。
Googleからパンダ?ペンギン?と発表されたときだけお祭り騒ぎをして「ああだ、こうだ。」言ってる人は本質的にGoogleことを理解していない人だと思います。

実際は、1日に1.5~2個位の頻度で日々改善されている実態を想像してみてください。「毎日サーチリザルト上のQDF,QDDなどの変化を認識しながら保有サイトの運営や企画改善をやって行く」ことがいかに重要であるか認識できるはずです。とは言うものの企業人である人なら時間と人的リソースをすべてGoogleの監視に向けられないのも事実です。小刻みな個別事象を追いかけることは現実的に無理があるので、大きな予兆を嗅ぎ取るスキルを身につける事が重要です。このスキルこそが、限りなくホワイトなSEOの入り口であると皆さんおわかりでしょうか?

こちらに、Google社が正式に公開している実際の決定プロセスの模様ビデオがありますので、興味のある方は雰囲気だけでもかぎとっていただくことをおすすめします。

サイト運営者が考えるべきことは一つ

どうです?Googleの検索部隊はベールにつつまれているパンドラの箱というイメージをお持ちの方も日本では多いのかもしれませんが、実際に働いている人が熱心に議論している姿は、日本のIT企業の意志決定mtgの模様となんら変わらないと思いませんか?
このビデオを見るとGoogleがサーチリザルト品質=ユーザーが意図している結果を表示させるために、数学的に、合理的に議論して日々歩んでいることが掴めたと思います。

普通の感覚の持ち主の方でしたら、今回の記事を見ていただき、もし、以下に上げたような姿勢でSEOをやっている方がいらしたら、を是非振り替えって頂き、明日からSEOに対する考え方や見方、発想を切りかるべきです。

訪問者をどうやってマネタイズしてやろうという一点にしか興味が沸かない?
→マネーファーストで考えていたら、ユーザーの為になるWebサービス、情報提供が出来るわけがない

■数万いや数十万であっても考えられるだけのロングテールワードを制覇するコンテンツを量産しようと考えている。
→有限な予算をコンテンツファームをつくために使うことになる。結果として死に金を使って責任をとることになる

■ランキング結果だけを参考にしてコンテンツ戦略を立てようとしている。
→ユーザー意図も理解せず、サーチリザルト上でのポジション文脈も理解しないでパブリッシング計画(投資計画)を立てるとは無謀もいいところ

■とにかく多くのサイトに自社のサイトにリンクを貼ってもらおう。貼ってもらうサイトのレレバンシー(的精度)についてはよくわからない!
→そもそもこういうレベルの知識の方はこの職を変えたほうがいいかも..

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