これからのSEO -実践篇-,ピックアップ,最新動向

ヒットするコンテンツマーケティングで重要なテーマ設定エキスパートの役割

2013年08月03日 ネズミ1号:略称「T」
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真新しくない内容!?でもコンテンツを作成する際、初心に戻る心得が満載!

オライリー出版などのSEO本の執筆も手がけたStoneTempleCTO、EricEngeさんが、MozBlogのフライデーホワイトボードに肉声登場です。Ericさん自身記事執筆に多大なる努力をしている本音を語っています。
彼曰く、近年多くの企業がコンテンツとして記事をパブリッシュするようになったが、バックグラウンドのない薄っぺらい記事なんか誰も読みたがらない。ターゲットオーディエンス(読者や消費者)は、生身の専門家に触れたがっていると言っています。そしてその生身に触れた知恵や影響を皆と共有したがっているそうです。前提として今後、専門家として特別なものを持たないのなら今すぐ家に帰ったほうが良いとまで言っています。また忙しいこの御時世、1日24時間しかない中で、どう人々にウケ、うならせられるような役立つテーマを発掘するか?ここでは、Ericさんの個人的な生みの苦しみも踏まえ生々しくそのテクニックを8つほど披露されていますのでご紹介します。



For reference, here's a still of this week's whiteboard!

サブジェクトマスターエキスパート(主題を発掘する専門家)とそれをレビュー補佐してくれる専門アシスタントの二人三脚がベスト・プラクティスを生む!

エキスパートな人も1日は24時間しかない。生身の人間が限られた時間で出せるアウトプットを最大化する方法

ここで言うサブジェクトマスターエキスパートとはネタやトピック、問題提起などテーマを発掘する作家のような人だと言っています。エリック自身、毎週土曜日の朝起きてどういうテーマを書こうか、どういう切り口で扱おうかと構想を練るそうです。というのは担当するコラム執筆のためだそうですが、時には2時間近くも良いアイデアが浮かばなかったり、このプロセスは非常にストレスフルな嫌な時間だと言っています。言わば昔から言う所の生みの苦しみですね。そうした苦しみを効率化するために心掛けている事として下記8つのテクニックを紹介しています。

1.記事にするトピックのリサーチは欠かさずやること

どんなテーマが話題になっているか、常にアンテナを張ってインプットしておくことが重要。若手の優秀なアシスタントと協力することで、数倍も効率が良くなるそうです。いろいろなアイデアを提示してくれて、その中で、このコラムはこれを扱おう、こちらのコラムはこういう切り口がいいねと自分だけで抱え込まずにチームワーク作業ができるので非常に助かるとのこと。

2.記事ドラフトを書く。アシスタントではなく必ず自分で

気になったことはドラフトメモを自身の手で常に取ることが重要。オーディエンスは生身のエキスパートに触れたがっているので、ゴーストライターを雇うなんてことは論外。必ずコンテンツ(原稿)製作のプロセスに自身が関わらなければならないそうです。人々はサブジェクトマスターエキスパートの肉声を聞きがっているので、テーマを人身からドラフトとして取り、肉声に変換することが重要だと強調しています。これは作家にたとえてみると非常に常識的なことですね。


3.インフルエンサーを探して仲良くなる

同じような専門家であるインフルエンサーとソーシャルを通じてコミュニケーションすることが重要。そうしたプロフェッショナルと触れ合うことで、新たな発想が生まれやすくなるそうです。

4.ソーシアルメディサイトをモニタリングしよう

サブジェクトマスターエキスパートはソーシャル上でもレスポンシブルでなければならいそうです。アシスタントにやってもらってもいいし、エリックさんはtwitterをモニタリングしているそうですが、誰がインフルエンサーで、その人がどんなことに反応しているか、またその他の人がどう伝播しているか常にチェックしておくことで、適切なテーマを間違えることなくピックアップできるようになるという内容を説いています。

5.Google+,Facebook,Twitterなどを活用して細切れ原稿をちょくちょく書く

思い立ったら短文の投稿原稿を書いて実際に自分で投稿する。あとで考えをまとめる時にタイムラインや自分が投稿した内容を俯瞰的にまとめて見ることで、構想時間の節約になる。おまけにそのアクティビティ自体も評価されるとのこと。

6.アシスタントが集めたコンテンツやリサーチ記事などに自らコメントしてキュレーションする。

この辺は説明が足早だったのでちょっと意図が不明な部分もありますが、自らソーシャルメディア上でちょっとした原稿を投稿する上でも、アシスタントが探してきたトピックスなどにコメントを書いたりする方法なども活用できるよということだと解釈させて頂きました。

7.綺麗なグラフィックを添える

エリックさんは幸いなことに、この原稿にはこんな絵が欲しいというと2時間ぐらいでグラフィクを書いてくれるアシスタントがいるそうですが、これは非常にクリエイティブな仕上がりになるし、執筆する原稿をコンテンツとしてワンランク上のものにしてくれると言っています。

8.エディトリアル作業をアシスタントなど第三者の意見も取り入れてソフィシケイト(洗練した原稿に)してゆく

アシスタントとサブジェクトマスターエキスパートが特別なリレーションシップ(連携)を取ることが重要。もしあなたが優秀な原稿書きだったとしても、ラフなドラフト原稿をアシスタント視点も踏まえて最終チェックすることでテーマのブレ補正や違った観点のトピックも付け加えるといった化学反応が起こるようです。人々がうーんと唸るようなテーマ発掘をするテーマ設定エキスパートと、エディトリアル観点でサポートしてくれるアシスタントとの阿吽(あうん)の呼吸関係を築くことで、24時間しかない時間をより効率的に有意義に使うことができるようになるそうです。いわばチーム作業ということですね。

まとめ

エリックさんのフライデーホワイトボードを見てお気づきの方もいるかもしれませんが、彼の言っていることは、まさに昔編集者がやっていた事そのものだと思いました。雑誌の編集であれば、さまざまな事件やトレンド情報などを自分の足で稼ぎ、デスクに上げて、編集長が自社の紙面を飾るに相応しいか構成判断をしていました。作家さんも同じです。コミック作家や小説家も、アシスタントによるリサーチ資料や、作家さんが手がけるテーマについて効率的に考証資料などまてめてもらったり、1人のエキスパートのアウトプットを最大化するための仕事の体制が昔も今も重要だということを言っているのだと拝見しました。

エリックさんはまたソーシャルを上手に活用することが、時間とコストの節約になり、テーマ設定エキスパートとエディトリアルアシスタントのコンビプレーがエキスパートの仕事力を数倍にすることもできると強調しています。こうしてみると記事執筆、コンテンツ製作というのは、生みの苦しみやプロとしてしっかりアンテナを張ること、時にはオンライン・ソーシャルをモニターし、どんな事が議論になっているか、その議論に参加してみてあとで取材メモとして投稿した内容をキュレートしてまとめるなど泥臭い昔ながらの手法に対し、ITやソーシャルといった最近活用できるツールをどう使いこなすかが、今後のコンテンツ制作者・記事執筆者が学ぶべき事なのだと改めて痛感しました。

しかし、エリックさんの寝起きっぽいギークな風体は個人的に相変わらず好感が持ててしまいます。

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