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検索は「探す・調べる」の能動的用途、ソーシャルは「アンテナを張る」で受動的用途と考えると意外とシックリくる!?

2013年08月14日 ネズミ1号:略称「T」
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「ちょっと調べてみる」と「へぇこんなネタがあるんだ」ではニーズは違う

StoneTemple社のコラムに面白い調査が載っていましたので、ねずみ小僧的考察を入れつつ紹介させていただきます。ここ最近、私自身マーケティングを行っているとチャネルトラフィックの4割、時には半分がスマートフォンやソーシャルからの流入といったことを目の当たりにし、実務でもTwitterやFacebookADなどソーシャルチャネル上でのコミュニケーション設計をすることが異様に増えてきており、その重要性を強く感じています。新サービスの設計や事業計画を練る際も、4P部分のプロモーションについて、まずどのようにソーシャル上でペネトレートできるか、そのネタとなる特徴やコミュニケーションシナリオを作ることができるかという点が争点になることも多いですね。私は、「検索する」という能動的に探す行為自体はなくならないと考えていますが、現在進行形としてITを活用して答えを探すという手段は多様化してきているなぁとうっすら考えていました。私なりの解として、「ちょっと探してみる」という能動的用途ニーズと「こんなネタがあるんだ」という受動的用途ニーズとに区分していましたが、今後コミュニケーション設計して行く上でどちらに重きを置くべきなのでしょうか?



検索は答えを得る手段としてまだ主要な手段と言えるか?
Is Search Still the Dominant Way People Use to Answer Questions?

こんな問いかけで始まるコラム記事ですが、StoneTemple社でこの問いを検証すべく400人のパネルを募って調査を実施したそうです。「あの映画に出ていた俳優や女優の名前ってなんて言ったっけ?」という事は皆さんも経験あることだと思いますが、一昔前でしたら「ググって見たら?」というのが当然の手段だったと思います。しかし、今もこうなのでしょうか?ひょっとしたら、検索エンジンで誰が書いたか分からないページを見るより、信頼できる知人などから直接教えてもらいたいという事になってきていないか?そういう意味では、「ソーシャル上で解決する人も増えているのではないか?」そんな仮説からの興味深い調査だといえますね。

ソーシャルと昔ながらの電話やメールで直接聞いちゃうというケースで合算するとサーチを上回ると予測するも、結果は?

predicted-winners

この調査は、「こういう時あなたならどうやって答えを探しますか?」という設問に対し、1.Search(検索で)2.Social(ソーシャルで)3.Direct(直接聞く)の形式で答えてもらうというもの。上の図はあらかじめ用意した10個の設問に対し、Serchが4、Socialが3、Directが3と事前予測した内容です。

以下がその設問です。

  1. 今晩みたい映画それも名作アクション映画を見たいと思うときどうやって見つけますか?
  2. フランクリン・ルーズベルトの誕生日は?
  3. 水道管が突然破裂してリビングが水浸になってしまいました。工事業者へ電話したいのですが、どうやって探します?
  4. もうすぐ母の日。プレゼントはどうやって選びますか?
  5. Excelの複雑な機能を使うのに誰かの助けが必要です。誰に助けを求めますか?
  6. 仕事の骨休みに静かな喫茶店を探したいのですが、どうやって探します?
  7. 日本の東京へ旅行することにしていますが、旅行計画を立てるにあたって何かキーとなるトピックを調べたいと思うとき、どこで探すべきだと思います?
  8. 東京に滞在中、東京ならではのホットな場所で食事を取りたいと熱望します。どこがいいか?どう探します?
  9. 普段聞いている音楽に飽きてしまいました。新しいピンとくる音楽を探したいのですが、どうやって探しますか?
  10. 新しい車を探して展示場にいます。どのディーラが一番お値打ちかどうやって探しますか?

「ちょっとググってみる」は未だ健在!
10個の設問中すべて検索を活用するがマジョリティ!?

今回の設問については、期待していた内容からすると「ちょっと探してみる」という能動的用途ニーズに偏った設問が多かったので私の中では予想通りの結果でしたが、中には、ソーシャル上での評判や、直接詳しい友人に聞きたいだろうなぁというケースも含まれていましたので、そういう意味ではやっぱり「ちょっとググって見る」は不動な地位を崩さずと改めて学習させていただきました。

「ちょっと探してみる」という能動的用途ニーズと「こんなネタがあるんだ」という受動的用途ニーズについての考察
~「アンテナを張る」から「検索」へ~

今回の設問を見て改めて考えてみたのですが、私が仮説として考えていた「こんなネタがあるんだ」という受動的ニーズは「アンテナを張る」という行為「ちょっと調べてみる」という能動的な用途ニーズは「検索」するという行為に分類するとやっぱりシックリくるのかなぁという点。

ソーシャル上でのコミュニケーション設計は、無関心層もしくは関心があってアンテナを張っている層に、「おやっ」と思ってもらい、その人の心の探知機にひっかかるようなネタを提供し、伝播させる戦略を練るプロセスを設計することが重要で、一方、検索では実際に「おやっ」と思ってもらってから、「ちょっとこれってどういうこと?」とググってもらう時に取りこぼさなさないようにSERPS上の特等席を取る。という感じなのでしょうね。

昔でしたら、競合サービスやプロダクトが大々的なキャンペーンを行う際に、店頭などで同じようなパッケージングの製品やサービスを訴求して漁夫の利を得るような戦略を取るようなこともあったなぁとふと思い出してみましたが、ソーシャル上の戦略投資をより有効に回収し、実りとするためにも、今後ますますオーガニックとの連携設計が重要になってくるのだと改めて考える機会となりました。当然、リスティングのようなペイド手法も併用し、費用対効果を考えながら取りこぼしをなくすという点も重要です。

ソーシャルメディアについては、TwitterやLineのようなフロー型のメディアとブログやSNSなどのようなストック型の機能をもったタイプとに分類されると思いますが、フロー型メディアを上手に活用することで、短期でトラフィックを誘導できるのも事実。そのトラフィックをストック型メディア(よくオウンドメディアということもありますが)に誘導し、オーガニックの底上げにも貢献できるような設計が出来るといいかもしれません。

今回は具体的な手法などには触れませんが、ちょっとした調査記事をネタにちょっと違った切り口で考察してみました。

以下に、実際のアンケート結果を引用掲載させていただきます。

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