サイトを運営していく中で、SEOの成果を検索順位だけをKPIとして追っていくと検索順位は相対的な評価となるため、正しく評価することはできないでしょう。なぜなら、いくら頑張っても競合サイトがそれ以上に評価されている場合は、検索順位が上がらないということになるからです。そのため、現在行っている施策がGoogleに評価されているのかを把握するためには、データを上手に活用する必要が出てくるのです。
投入しているコンテンツがGoogleにどのように評価されているのかを知る一つの手段としてGoogleウェブマスターツール(以下GoogleWMT)の検索クエリとアクセス解析ツールの検索クエリ分析があります。
まず、Googleウェブマスターツール(以下GoogleWMT)の検索クエリとアクセス解析ツールの流入ワードの違いについて明らかにしておきましょう。
GoogleWMTの検索クエリ
→Googleのサーチリザルト上表示されている検索キーワード(かつGoogleが選定したもの)
アクセス解析の検索クエリ
→オーガニック経由で実際にサイトに訪れたアクセスログのレコードから解析されたワード
※検索クエリワードが暗号化され、(not provided)など把握できないものも存在する。
この2つの検索クエリは同一になることはなく、以下のような関係性を持つ形となります。このようにA、B、Cの領域に分類されます。
A:GoogleWMTの検索クエリで認識されている領域 B:アクセス解析の検索クエリで認識されている領域 C:GoogleWMTの検索クエリ且つアクセス解析の検索クエリで認識されている領域
通常、GoogleWMTの検索クエリで表示されるクエリ数よりアクセス解析で記録されるワード種別のほうが多くなります。
その理由は下記2点が考えられます。
このポイントを理解しておくことは非常に重要です。GoogleWMTの検索クエリはGoogleが当該ホストをどのように認識しているかを把握するひとつのヒントとなり、特に検索クエリ毎の表示回数の変動率は定期的にチェックしておくようにしましょう。
ちなみに想定される表示回数の変動要因は下記の通り。
1.ユーザーニーズの増加により検索回数が多くなり結果として表示回数が増加するケース
2.当該検索クエリの掲載順位上昇により露出度が増え結果として表示回数が増加するケース
自サイトのホストをユーザーにどのように認識してもらいたいのかというベクトルとGoogleが自サイトをどのように認識しているのかというベクトルの方向性に相違がないかを定期的にチェックし、コンテンツコントロールをしていくことがサイト運用を正しく行う肝となります。
コンテンツマーケティングという名のもとに、意味不明なコンテンツがどんどん追加されるスキームやどう考えても投資対効果が合わないコンテンツに制作費を大量投下してしまうといったことがないように今後SEO担当者は実データと仮説をもとに社内リソースを適切に分配するようにコントロールすることが重要な業務となってくるでしょう。
投資すべきキーワード群の選定やブルーオーシャンワードの発掘方法につきましては、今後別テーマとして解説記事を執筆する予定ですので、ご期待ください。