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10%程度の検索ニーズは、「ちょっとググってみる」ではなく「うーんなるほど...」だった!

2013年08月07日 ネズミ1号:略称「T」
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SERPs上滞在時間が増加する!?
「In-Depth articles in SERPs」 in Google Webmaster Central Blogについて

Schema.orgやエンティティによるオンライン上のページファイルの構造化。よりインテリジェントなSERPSを目指すGoogleの方向性。ヒントとなる記事がWebMasterCentralBlogに掲載されましたので紹介します。今までサーチリザルト上では、検索窓に入力したクエリーワード(検索語)の意図を如何に適切に汲み取り、お目当ての情報に最短ルートで到達できるような最適化がなされてきたと皆さんお考えではないでしょうか?SNSやSAP事業などをやっていると、DAU,MAU×滞在時間、LTVなどという指標を重視します。つまり、如何に長く滞在してもらえて、その中でマネタイズポイントを確保する、または媒体価値を高めるというモデルです。
これに反して、Googleは、検索というユーザーの能動的な行為を起点として旧AIDMAプロセス上の特にInterest/Desire→"Action"に焦点を当てることで、実用的な広告ソリューションを提供する事で高い収益を上げてきたと言えますね。潜在客ならず、意向客を送客(リードを獲得)できるというものです。こういったGoogle特性に今後若干の異変が起こるかもしれませんが、Googleの将来を推測するのに、この記事はひとつのヒントになるかもしれません。



GoogleSERPS上で滞在時間が増える!?

「構造化データ」と「エンティティによる検索」本格始動
→深い学習・理解ニーズ、セレンディピティ的なファインディング用途まで今後検索結果が果たす役割は少しずつ変化して行く?

記事によると、これまで、Googleは、クイックな調べ物などに「パッ」と答えるというエクスペリエンスを提供するサービスだと認識されてきましたが、(日本だとちょっとググってみる...というのが該当すると思いますが)、調査した結果10%程度の検索意図は、検索する内容に関してもっと幅広いトピックについて理解したり、深堀して認知したいというニーズがあることが分かったそうです。
この部分が「in-depth-article」という表現になっているようですが、このニーズに対応すべく、今後サイト管理者に対し、「作成する記事・ページの構造化対策をお願いします」というアナウンスメントがなされています。

具体的にはどういう対応が必要か?

現時点では、下記4つのポイントの対応が推奨されています。(CMSの都合上andを&と表記しています)

  • use schema.org “article” markup
    →schema.orgの"article"マークアップを使う。schema.orgについては、以前も触れたのでここでは割愛しますが今後本格的に構造化データの対応をやっていかなければならなくなりそうです。サイト制作者は大変ですね。
  • provide authorship markup
    →Webmasterhelpビデオでもマット・カッツさんが散々広めていますが、rel="author”をここでも推奨しています。
    in-depth artileという点ではきちんとした専門家によるより専門性の高い文章なのか、さまざまな角度や切り口からテーマに即した記事を進める際に、どういう実 績がある人かわからない(信用の置けない人が書いた記事)は表示させたくないという意図だと思われます。きちんとした論評や論文については、ページングされるほどボリュームがあることが多いと思います。どこが主たるページかわかるように、rel=next & rel=prevは勿論の事、canonical設定も推奨されています。
  • provide information about your organization’s logo
    公式な団体や企業による文章や記事、見解であるならば、団体のCIなどに関するアトリビュート(属性情報)もきちんと構造化データとしてマークアップしてくださいとのことです。この意図は非常に納得できるものです。要は、名の知れない個人の情報よりも、社会的責任を負う企業や団体の見解やコンテンツが優先されるということだと思います。
  • & of course, create compelling in-depth content
    ここはニクイですが、構造化するだけでなく、勿論内容の伴った「なるほど」と思えるようなユーザーに便益のあるコンテンツであることが前提だと言っています。

まとめ

今まで、検索エンジンは、如何に最短時間で、目的地へ利用者を誘導するかがビジネスモデルのKSFとされて来たと言えるでしょう。ソーシャルメディアやソーシャルゲームのようなUU×滞在時間×客単価というモデルからすると正反対の設計になっていたとも言えます。
Google+、YouTube、Android端末上での占有時間など環境は劇的に変わってきているのも事実。「ちょっとググって見る」は、近年スマートフォンなどに代表されるモバイル上の行為に移行しつつあると見る事もでき、逆に、今までGoogleビジネスを支えていたPC検索については、座ってじっくりリサーチする、調べ物をする、どんな物があるか、どんな深い情報があるか、Google上でより長くの時間を費やしてもらえるように一部改変されてゆくのかもしれませんね。
PC検索結果とモバイル検索結果のランクアルゴリズムを近い将来変更するとアナウンスも既にされていますが、こうした流れを考えるとこういうアナウンスは時期的にもタイムリーなものだという事が分かります。

今後サイト管理者は、PC、モバイル、タブレット、TVなど昔からよく言われる4つのウィンドウや今後の戦場となるとも言われているウェアラブル端末などの領域も意識した企画・立案・運用といった対応が求められるようになるのかもしれません。現時点では、10%程度のニーズとされていますが、今後少しずつ変わって行くのでしょうね。

マット・カッツ氏含め節々でGoogle社設立当初の理念的な概念が引用されることがありましたが、これからまさに「世の中のものをすべて構造化し、TPOにあわせてユーザーをアシストできるインテリジェントなサービス」へとGoogleは変異してゆくのかもしれませんね。

以下の2つの記事でエンティティによる検索により何が変わるか、構造化データは今後どう活用されていくのか?などについて考察した記事もありますので、興味のある方はご覧になって見てください。

検索は、KWが含まれたページからエンティティへ!?

「Co-Citation & Co-Occurrence」今後の検索に及ぼす変革とは?

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