インハウスSEO担当者として、ある一定期間におけるアクセス数の増減をチェックするのは非常に重要な業務となります。
訪問者数やページビュー数を日次、週次、月次で追っていきつつ、1ヶ月程度の括りでアクセス数に大幅な増減があった場合、その要因をドリルダウンして分析する必要があります。
オーガニックの場合、アクセス数の増減に起因する要因として大きく2つ、「特定のワードにおけるSEO順位変動」、「市場トレンド(検索するニーズ自体の増減)」が考えられます。
市場トレンドに変化がないにも関わらず、アクセス数が増減した場合、どのように分析すればよいかを知っていると即座に状況を確認することができ、とても心強いものです。
ねずみ小僧は、SEOを担当するサイトについてはMicrosoft Accessを活用してデータの蓄積を行っていますが、Excelのピボットテーブルを使って簡単に分析できますので、図解入りでご紹介させていただきます。
※あくまでも分析ロジックをご紹介する目的ですので、流入キーワードと訪問数をベースに分析しています。(事業会社のSEO担当となるとコンバージョンという指標も考慮した形で分析します)
1.メニュー選択
Googleアナリティクスの右メニューで、
トラフィック>参照元>検索>オーガニック検索
を選択します。
2.期間選択
Googleアナリティクスでは、期間を2つ設定することができ、当該期間同士で比較することができます。こちらの例では2013年6月と2013年7月とで比較する場合の設定の仕方。
3.表示結果
手順2で「適用」を実行すると、一覧表示画面にキーワード毎に対象期間のそれぞれの数値が表示されます。
4.エクスポート
対象となるレコードをすべて表示した状態で、エクセルファイルにエクスポートします。
エクスポートしたエクセルファイルを開きます。
初期状態ではキーワードA+期間A、キーワードA+期間Bと並んで表示され分析しにくい状態になっていますので、エクセルのピボットテーブルを使って分析しやすい形に整形します。
1.ピボットテーブルの選択
挿入>ピボットテーブルを選択します。
ピボットテーブルの作成ダイアログが表示されるので、そのままOKを選択。
2.フィールドリストの設定
ピボットテーブルのフィールドリストが表示されますので、下記のように設定します。
行ラベルに、「キーワード」
列ラベルに、「期間」
Σ値に、「訪問数」
3.表示されたデータをカスタマイズ
ピボットで組まれた表が表示されます。ピボット内の2013年7月のセル上で、右クリック→並べ替えの昇順を設定。
下図のように、2013年7月のアクセス数が0→Xという形でソートされます。
つまり、2013年6月にはアクセスがあったが、2013年7月にはアクセスがなかったキーワード群が上段から順に表示されます。逆に、2013年6月のセル上で同様の処理を行うと、2013年6月にアクセスがなく、2013年7月にアクセスがあったキーワード群を調査することができます。
SEOで状況報告していると、市場トレンドは下降していない(リスティング広告のインプレッション回数は順調に推移)にもかかわらず、オーガニックからの流入が減少している状況を報告しなければならないことが多々あります。
アクセスを牽引しているワードがSEOで順位下落があり、アクセス数が減少している場合はその旨報告すればよいのですが、主要ワードではそれほど変化がないにも関わらず、全体感でアクセスの減少をしている場合は、その要因をつかむ必要が出てきます。
今回のレポーティングは特にテイルワードのアクセス数の比較を行う手法となりますが、オーガニックからの流入キーワードの種別数とアクセス総数の推移を把握しておくことはSEO担当者として重要なタスクです。(もちろん数字の変動幅の大きいキーワードを優先的にチェックします)
アクセスが大幅に減少したキーワード群はなぜ減ってしまったのかをドリルダウンして分析します。当該ワードのGRCで現状の順位をチェックしたり、Googleウェブマスターツールの検索クエリの数値に変化がないかチェックします。
SEOを担当しているとこのようなネガティブ要素の分析は気が進みませんが、業務として的確に状況を把握し、関係者への報告と改善に活かしていきましょう。
※期間Aから期間Bにおいてアクセスが増加しているキーワード群は、さらなるアクセス増に向けてコンテンツ開発やページチューニングのヒントとなるデータが抽出できます。アクセス解析データは自社だけが保有できる貴重な情報源ですので、フル活用できるようにしていきましょう。