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「RettyのSEO施策のパフォーマンスがすごい!」はどこがどうすごいのか?Googleの観点も交えてねずみ流考察

2013年08月10日 ネズミ2号:略称「M」
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イケダハヤト氏の人気ブログihayato.書店に「[マーケティング] 食べログを抜いた!RettyのSEO施策のパフォーマンスがすごい件」というタイトルで、とても興味深いSEO記事がエントリされました。

まず、Rettyが食べログを抜いたとありますが、特定のワード群においてという制限があるかと思います。まだまだ食べログ、SEOでのファインダビリティは高い状態と言えます。Rettyがここ最近食べログ、Naverまとめより優位性を保っているキーワード群は以下の通りです。

上記ブログで紹介された「新宿 カフェ」「渋谷 カフェ」「池袋 カフェ」のほか、「渋谷 ラーメン」「渋谷 パンケーキ」などがあります。

今日はねずみ小僧的にGoogleとRettyについて考えてみたいと思います。



GoogleのQDD変容とその中身についての考察

ねずみ小僧が見た感じでは、Rettyは広範囲に渡るGoogleのSERPS上でファインダビリティの占有に至るまでには発展途上である感は否めません。(サイトコンセプトとして現在はソーシャルからの流入動線に主眼を置いている可能性は大です)

そんな中、Googleのクエリワードの解釈、サイトの評価プロセスが変化していっているのも事実。この流れをいち早くキャッチし、自メディアでパブリッシュされたイケダハヤト氏の選眼力はさすがでございます。

Googleのクエリワードの解釈として、Rettyがポジションを確保したクエリワード(たとえば上記「渋谷 カフェ」)は、以前はナビゲーショナルなクエリと解釈され、「渋谷のカフェに行きたいので教えてください(ナビゲートしてください)」だったものが、インフォメーショナルなクエリと解釈し、「渋谷のカフェに行きたいのですが、人気のあるカフェを教えてください(インフォメーションをください)」が含まれた形となっていると考えられます。

ひと言でいえば、Googleのアルゴリズム、QDDが変容しているということ、つまり「渋谷 カフェ」のSERPSにインフォメーショナルな情報提供サイトがポジションを取り始めたということなのです。

当サイトでは、 検索エンジンはマーケットの縮図とお伝えしておりますが、「渋谷 カフェ」で人気がある情報を提供しているサイトは何か?とGoogleがランキングサーチした結果、現在はRettyのページを高く評価していると考えることができます(8月10日時点)。
もちろん、検索結果は日々変化しておりますので、今後ポジションが変わる可能性はあります。

なぜRettyがインフォメーショナルなクエリで評価されているのか?

Rettyの特徴を考えてみましょう。
やはり大きなサイトポジションは、「実名の口コミでお店を紹介するサイト」ということでしょう。Googleの流れとして、アノニマスから実名といった情報のオーソリティ度は今後もより重視していくと考えられます。

自分が信頼している友達が美味しいお店を紹介してくれるのと、どこぞの誰か分からない人がオススメするお店でどっちのお店に行きたくなるかを考えれば分かりますよね。

ただ、Rettyはこのコンテンツを構築し始めたばかりで充実度はこれから。
現在評価されている企画は、下図の Rettyの渋谷グルメページ右カラムに掲載されているページ群です。retty_1.jpg

いわゆるまとめサイト(キュレーション)ですが、Googleのクエリワードの解釈とRettyのページがどのようにGoogleに解釈されているかによって、順位の幅は大きいのが現状です。下表は、特集ピックアップの個別記事タイトルから想定されるQWのSEO順位(2013年8月10日時点)。retty_2.jpg

このように見ると、「人気」「おすすめ」「話題」といったアトリビュートする言葉(タイトルタグ)を伴ったページは高い評価を得ているようです。ターシャリーワード(3rd Word)まで入力するとナビ的な意味合いが強くなるため現時点では上位表示されていないようです。現在の目下の競争要因は食べログというよりはNaverまとめと考えられますね。

今後、Rettyがこのまとめページを効率的(スピーディーに)、効果的(ユーザーに有用な機能)に制作できるバリューチェーンを構築できた時、爆発するものと勝手にねずみ小僧は妄想しています。

まとめとお断り

今回は、Rettyの事例を元にある観点から、ねずみ小僧が考えるGoogleの評価との関連性を述べさせていただきました。個人的な解釈が多分に入っております。当然Googleのランキングシステムはブラックボックスであり、様々な要素がランキングに反映されておりますので、これまでSEOを生業にしてきた者の一つの見方としてご覧いただければと思います。

ただGoogleのトレンドを追っていると、一昨日ねずみ小僧1号さんより紹介した「 In-Depth articles in SERPs」など、ただ単にお店をナビする機能から、別のユーザーエクスペリエンスを提供し媒体価値の向上を図るように変化していくのかもしれません。

もちろんこの流れは、PC検索結果とモバイル検索結果のランクアルゴリズムの変更といったことにもつながっていくでしょう。

※文中にありましたGoogleのQDDについてよく分からないという方は、「検索クエリと連動としたページ評価」のページをご覧ください。

2013年9月12日追記

1ヶ月が経過しどのような変化が起きているか新たに記事を書きました。
→RettyのSEO経過観測!1ヶ月前からの変動を見ながらインハウスSEO担当者の宿命を考える

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