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GoogleのSSL対応による(not provided)!しがないインハウスSEO担当者の思いを吐露

2013年09月28日 ネズミ2号:略称「M」
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ネズミニ号です。

今日はGoogleのSSL対応により検索クエリが取得できなくなることについて、私がどんなことを思ったかをつらつらと書かせていただきます。

背景としましては、Googleがブラウザとサーバー間の通信を暗号化し、今後Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールでオーガニックからのクエリワードが(not provided)となってしまいます。つまり、これまではサイト訪問者がどのような検索ワードを入力してアクセスしてきたのかを知ることができたのですが、今後その検索ワードが分からなくなってしまうということです。

すでにねずみ小僧ブログではほぼ8割~9割ほどが(not provided)となっていますが、私が管理している他サイトでは(not provided)の割合は高まってきているもののまだ取得可能なクエリワードが存在している状況です。

このことからGoogleが導入したからといってその時点から100%暗号化されるというわけではなく、徐々に浸透していくものと考えられます。



周囲の反応を聞いてみた

いずれはほぼ100%が暗号化されこれまでランディングページと流入ワードのクロス分析などを活用していたものにとっては代替案を考えなければなりません。

実際、今回の導入を受けてSEO会社勤務の知人も含めてヒアリングを行いましたが、どのような反応だったかというと、

「確かに(not provided)で占有されてしまうのは厳しいですが、これまでも(not provided)はありましたし、実際のところ細かいワード群なんてそれほど見ていないじゃないですか・・・。これまで蓄積したデータからある程度どのようなワード群で流入してくるか分かりますし・・・」

といった声が印象的でした。

確かにすでに公開しているページ群については主要なクエリワードの順位と流入アクセス数を見ておけば、大きな変動によるブレというのは把握できますし、1年に1回検索されるかどうかといったクエリワードは投資対効果の観点からもいちいち相手にしていくわけにもいきません。

ネズミニ号が不安だったこと

私が内心思っている不安は大きく以下の2つのポイントでした。

1点目はインハウスSEOあるあるに関して

1点目はインハウスSEO担当者の中ではあるあるとして認識されている部分もあるかと思いますが、「経営層への報告内容と実務者レベルの分析データって異なるよね~」ってところです。

ぶっちゃけちゃいますが、ランディングページと検索クエリのクロスのデータを活用して、トレンドの把握やサイトのヘルスステイタスを分析し、経営層に説明するのってすごくやりやすいのです。データ集計に時間も掛かりませんし、過去と今の比較もできますし、なにが良くてなにが悪いのかも数値で表現できますので、説得材料として重宝するんですよね。経営者にも実に分かりやすいと評判の方法です。

その検索クエリが(not provided)になるとランディングページの流入数だけしか把握できなくなってしまいますので、こういった事態にならないかと頭をよぎったわけです。

経:「で、そのページはどういったキーワードでアクセスが来ているのかね?」
ネズミ:「いや、GoogleがSSLで暗号化し、ごにょごにょごにょ
経:「君は外部要因のせいにして業務をまっとうしていないねぇ~」

と思われてしまうかも。。。(ヤバス) なんていう妄想をしてしまうのです。

こちらの記事に書かれていますが、ネズミ一号さんの代替施策などを参考に、「なるほどこうすれば大丈夫か!」と業務に支障を来たさない方法を考えつきました。本件はこれで大丈夫でしょう。

2点目は新規コンテンツの評価に関して

2点目はコンテンツをベースとした施策を行っていく際のこと。

すでに公開されているページについては、「当該ページの想定QW群の順位、アクセス数の推移、平均滞在時間の推移、直帰率の推移」を見ておけば、安定しているページはよほど大きな変動がない限りは平常運転ができると想定できます。

一方で、新しいコンテンツを公開したときの分析についてどうしたものかと頭を悩ませていました。

これまでもサイトのポジショニング強化を図るコンテンツ群を追加した際には、Googleウェブマスターツールの検索クエリの新規認識ワードや公開ページの想定QW群の順位推移、そもそも当該ホストでターゲットとしているクエリワードのSEO順位を厳密に追っていました。

併せてアクセス解析ツールのランディングページと検索クエリのクロスのデータが使えると非常に便利で、新規追加ページにオーガニックでランディングしてきたUU数とそれらのキーワード群が実際にサイトへアクセスされたデータから導き出されるので、当初想定していたQWなのかそれとも意図していなかったQWなのかを把握することができると共に、直帰率やサイト滞在時間が悪い場合に検索ユーザーの意図とコンテンツ内容に乖離がないかページのチューニングに役立てることができていました。

Googleウェブマスターツールを使った代替施策を取った場合でも一定のあいまいさは残ってしまいますが、この部分(細かいチューニング)については経営層に報告するレベルのものではなく、あくまでもサイト改善を継続的にPDCAで回していく実務者レベルのレイヤーでの話しですので、解析方法も徐々に精度を上げていけば良いと考えています。

まとめ

今回はインハウスSEO担当者レベルでGoogleのSSL対応に関して思ったことをコラム的に書かさせていただきました。

私はこれまで大規模サイト、専門性の高い中規模サイト、海外多言語サイト、AFサイトなどいくつかの特性を持ったサイトを運営してきました。

SEO担当者としてやるべきことは、サイト価値の向上を図るべく、現状把握、計画、企画、実践、運用改善と次に何をするかを指し示すことであり、それに基づく仮説は確度が高ければ高いほど実践が楽になり結果が伴いやすいものだと感じています。

今回のSSL対応というGoogleの決断の背景としては利用者の安全とプライバシー保護の観点からですので、我々がどうこう言うべきものではないのでしょう。

今われわれは、与えられた選択肢の中から、どのデータをどのように使うのかといった頭脳が求められています。

このまま泣き寝入りをしていたらSEO担当者の存在価値はなくなってしまいます。そのためにも蓄積したナレッジを有効活用すべく、ネズミ一号さんの力を借りてこのようなブログの形でアーカイブしています。ぜひご参考していただけると幸いです。

今回の打開策としてGoogleウェブマスターツールの検索クエリの活用がキモだと思っています。今後検索クエリ機能の具体的な活用方法などに落とし込んでご紹介できればと考えています。

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