私が大規模なサイト(運用中)のSEOに参画した場合、サイトの現状分析から入るわけですが、まずはGoogleウェブマスターツールを活用します。Googleウェブマスターツールの「HTMLの改善」や「クロールエラー」の項目をチェックし、改善要素があれば早急に対応してもらうよう依頼を出します。
タイトルタグやメタデータの重複があるとPLP(Preferred Landing Page)といって、SERPsに表示されているページと実際にランディングさせたいページが異なってしまうことがあります。
正しく設定してもPLPは発生することがありますが、タグレベルの内部対策が最適化されていれば、それ以外の要因を仮説立てて対策を試みることができます。
今日はHTML改善のワーニングでも出てくるURLの末尾のスラッシュについて検討してみたいと思います。
GoogleではURLの末尾のスラッシュの有無に関わらず、それぞれ別物として扱われます。つまり、下記のURLの場合、別々のページということになります。
https://example.com/foo/ (末尾にスラッシュがあるので、通常はディレクトリを示す)
https://example.com/foo (末尾にスラッシュがないので、通常はファイルを示す)
郵便局のサイトを見てみましょう。
こちらのページは年賀状印刷のページのURLです。最後にスラッシュがありませんね。
コチラのURLの最後にスラッシュを入れて表示させてみると、
となります。
先ほどの記述通り、
https://print.shop.jp-network.japanpost.jp/nenga
と
https://print.shop.jp-network.japanpost.jp/nenga/
は別物ですので、前者のURLではファイルが存在し、後者のURLではファイルが存在しない状態になっています。
スラッシュの有り無しだけの違いですがGoogleは別々のURLと認識しますのでユーザーにとっては不便ですよね。
このような理由からGoogleでは末尾のスラッシュがあるURLとないURLで同じコンテンツを表示するよう統一を図る場合、片方がもう一方にリダイレクトする設定が望ましいと推奨しています。
■参考
→Google Webmaster Central Blog 「URL末尾のスラッシュは必要?」
今回、郵便局のサイトを例にご紹介させていただきました。
郵便局のページはスラッシュの有無でそれぞれ404と200のレスポンスコードを返していますが、これまで担当してきたサイトの中にはスラッシュの有無に関わらず双方とも200のレスポンスコードを返すものがありました。
そのようなサイトではGoogleウェブマスターツール上の「HTML改善」で重複のアラートが出ていました。実施すべき対策としてはどちらか一方のURLを優先URLとし(通常スラッシュ有りを採用しています)、重複URLから優先URLへ301リダイレクトの設定をします。
最後にウェブマスターツールのFetch as Googlebotの機能を利用して、正しく301リダイレクトの設定がされているかを確認します。
実際私が担当したサイトの事例では、この最適化が要因とは断言できませんが、ページ改善以降、クロールの統計情報の1日あたりのクロールページ数が以前に比べて多くなったり、大規模なサイトではインデックス数が増加するといった状況を複数のサイトで目の当たりにしてきました。
ユーザーの視点、Googleの視点、サーバー管理の視点から正しくチューニングを行うことで、これから行う施策、たとえばコンテンツの公開におけるSEO観点のKPIの変化について影響範囲を限定した状態でチェックすることが可能となります。
ぜひGoogleウェブマスターツールの各項目を確認し改善できるポイントがあれば改善されることをおすすめします。