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ウェブスパムチームにお聞きします。これまでを振り返って後悔したなぁ!といった施策はありますか?

2014年05月13日 ネズミ1号:略称「T」
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film.png今日はニューヨークのバリーシュワーツさんからの質問です。「スパムチームの過去のお仕事の中で”特に”スパムについて対策をミスった~とかこうしておけばよかったぁとか後悔するような事はありますか?」
matt:笑)おぅっと..僕のTシャツの選び方...!?みたいな面白い質問しているわけではないですよね!。。うーんそうですねぇ..考えてみると少なくとも2つのはありますね。サンノゼで開かれた結構有名なSEOカンファレンスだったと思いますが..7年前ぐらいでしょうか。



matt:ペイドリンクはそもそも問題だし、分かりきったことなのでこれを破ったりすることはできないでしょうし、見つけたらマニュアルアクションをとるし、アルゴリズムはどんどん改善している、つまり誰も犯すことができないものだといったようなことをお話したのです。あとになって思ったのですが、ページリンクがページランクの重要な要素をになっているといった趣旨を強調することになってしまったのではないかと思っています。その結果として、リンクを張ることがページランクのコアであるかなような誤った宗教を広めてしまったかもしれないと思っています。それによってペイドリンクがあまりにも横行したという皮肉な結果になったのではと考えたりしていますね。。。

matt:思い出してみてください。2005年から2006年当時、グーグルはかなり積極的にページリンクについて取り締まっていたと思いますが、まるでページリンクがページランクの重要な要だとでもいっているかのようにその事を強調するようなことになっていたのでは?..と今となっては後悔?しているかもしれません。。おそらく人々はグーグルのこうした取り締まり姿勢をみて、「なるほど、グーグルはやはりリンクを重視しているんだ!」とか「なるほど、これがグーグル法なんだね。(では法の抜け穴を見つけて密輸ビジネスみたないことをやればもうかる!)」みたいな力が働くのを手助けした側面があるかもしれません。

まぁ、ほとんどの人は、リスクがあると認識はしていたと思いますし、手を汚すことで生ずる結果については理解していたでしょう。しかし、このことによって、リンクがページランクにおける重要な要素であると明確に認識するようになったのだと考えています。この問題について、我々がきちんと向き合えるようになるまで、かなりの時間を僕らは格闘することになったのですね。

matt:はい、もう一つの後悔ですが、コンテンツファームでしょうか。実は社内からもこの件については苦情をもらっていたりもしていました。例えばですが、「ヘーイ、マット、このサイトやあのサイトって薄っぺらいサイトだし何の価値があるの?」みたいな感じです。どういう由来でこういうページが出たのかという感じでしたが、とにかくユーザーエクスペリエンス観点でも最悪だったのです。私自身も経験があるのですが、たまたまトイレの水流がとまらなくなった時、とあるページを見つけてそのページは非常に役に立つページだと勘違いしてしまったのです。水流がとまらない原因とその直し方などの概要なんかがきちんと書かれていたので、これは求めている答えがきちんと書いてる素晴らしいページだと思ってしまったのですね。ただ、その時僕は、たまたま膨大なコンテンツファームの一部の文言しかみていなかったのです。たまたま検索したワードでヒットした文章のタイトルとかボディ部分に分かり易い同じような説明が書かれていたとしても、ページ全体では薄っぺらい内容のサイトだったりすることがあるってのも、後になって気付くんですね。ごく一部分だけかいつまんでサンプリングするだけでは十分でなく、もっとマクロな視点、場合によっては長期なスパンでサイト全体を解析できないとコンテンツファームというのは防げないのだと思いました。

matt:つまり日々よせられるさまざまなフィードバックなどから、何か見落としていないか常に考えることで、コンテンツファームの問題はもっと早く解決できたのではないかと考えています。

matt:常に見落としはないか?もっと効率的なアルゴリズムの改善すべき点はないか、また逆転の発想でフィードバックされる問題の本質を見出すことができないか、我々は常に日々こうしたことについて真摯に向き合うことが重要だとこうした経験からつくづく思うようになりました!

きょうは「はっ」とするような質問ありがとうございました!

ネズミ小僧:私も仕事でプレスの対応や消費者の対応、サプライチェーンなどの対応などすることがあるのですが、こちらが隠し玉だと思っていることを守ろうとして、その件についてうるさく言ったり、駆け引きしたりしようとすると相手方は「ははーん、これがキモなんだなぁ!」と逆効果になってしまうことがあり、こちらの意図する方向とは真逆の方向へ向かってしまうことがあるような経験が良くありました。バックリンクについてもこうした感じだんたのですね。

先日、今後数年のうちにバックリンク重要度が小さくなってくるでしょう!?などとビデオで語ってくださっていましたが、ページランクにおけるリンクに関するISSUEについてきちんとステイブルに向き合うまでにそれから長い格闘の時間と労力を有したとスパムチーム内でマクロな観点では、ああすればよかったとかこうすればよかったという戦略の反省などもやはりあるのですね。

ただ、ここ数回のビデオで象徴的だと思う部分は、バックリンク以外のシグナルがようやくそれと同等ぐらいまで実用的なものとなりつつあるという予感と、だからこそ、いままで対策として後悔したことみたいないってみれば一つの歴史の総括みたいなビデオなんかが流せるようになったということかもしれません。

そういう意味では、マットさんの所属するスパムチームの戦略・ストラテジーについても人間味あふれるお仕事の履歴を垣間見ることができ、ひときわ感慨深いビデオでもありました。

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