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マット・カッツ「リンクビルディングについて語る」

2013年07月15日 ネズミ1号:略称「T」
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コンテンツマーケティング成功の近道とは?

Stone Temple Counsuliting社Eric Enge氏がリンクビルディングに関するあらゆるテーマについてGoogleマット・カッツ氏からインタビューにより面白い情報を引き出していますので紹介します。このインタビュー記事を読むと、リンクビルディングに関する都市伝説がいかに間違いであるか分かると思います。結論からいうと、人々が求めるコンテンツであること、SEOというテクニックで勝負するのなく、旧来のプロモーション手法を意識し、ブランディングや製造したコンテンツやサイトをどう皆に知ってもらうか王道を走るべしということだそうです。つまり、近道はなく、地道にやるべきことをやり、世界に認めてもらうフックを醸成するという事です。本サイトのテーマともピッタリ合致している内容です。



まず、リンクビルディングに関する都市伝説を紐解くために、革新的なコンセプトとして、マット・カッツ氏の興味深い引用をまずは紹介しましょう。

リンクビルディングについて、全て悪いという訳でなはないんだ。
他の人が引用したり、その記事について紹介したり、書きたいと思うような素晴らしいコンテンツを作成すれば、そもそもリンクは自然にできると思うんだ。本来リンクビルディングというのは、こうした自然な流れのことをいうはずだよ。
多くの人は、このプロセスを逆にやろうとしているんじゃないかな。「とにかくリンクを獲得できればいいだ」といった考え方がそれに当たる。

紹介したインタビュー記事はかなり長文なので、今回は逐語訳するのではなく、ポイントを要約して紹介します。
Eric Enge氏がさまざまな角度からリンクビルディング・コンテンツマーケティングに関する疑問をマット・カッツにぶつけることで、本質を炙りだしてくれていますが、インタビュー内でのマット・カッツの引用がリンクビルディングに関する全ての核心となることが分かります。ではその核心についての要約です。

SEOは、今後より伝統的なマーケティングに準拠した活動になって行く。

ユーザーがいかにサイトや記事について読みたい、見てみたい、あるいは紹介したいと思うか?または思わせるかという点をGoogleは測定しようとしている。マット・カッツはメールのやりとりを例にユーザーのエンゲージメントについて語っています。「上司からのメールなら直ぐに返すし、DMなら読むことすらせずゴミ箱に直行する」というのは端的な例だと思います。
Ericは、シンジケーション配信の例や著名人に執筆してもらう、または著名なメディアにインタビューしてもらう、パブリシティを上手に活用して、発行するコンテンツについて読者を増やしたり、またその記事について知ってもらうことで、アルファーな人がその記事を紹介する(リンクを貼る)ようになるなどさまざまな事例をぶつけて検証していますが、これって従来の企業マーケ担当者がやっているコミュニケーション戦略そのものだということに気付かされる内容です。現在では「ソーシャルメディアといった一般の人が気軽に参加できるメディアをどう活用し、レピュテーションを上げて行くことができるか?」といったように、日々のソーシャル・マーケティング活動によりどういったシグナルをGoogleに与えることができるかという点も重要だと述べられています。ソーシャル・エンタープライズなどと言われるようになりましたが、昔からインフルエンサーという言葉、マーケティング用語のエンゲージメント概念はありますが、こうした本質に従ったストリーライン立案力が今後重要となるそうです。

SEO担当は、伝統的なマーケッター素養を持つべきで、そうあるべきである。

マークアップ方法や、クローラビリティなどテクニカル視点でのSEOは今後も重要なのは変わりませんが、(ただ、言ってみれば、ITをやるなら知っていて当然のこと)、

「リンクを獲得するという目的を主体としたSEO」から「オンライン上でのブランドやサービスのプロモーションスタイルに留意した戦略ビルディング」が今後重要な要素となると語られています。

繰り返しになりますが、これは伝統的なプロモーション・ブランドマーケティングに関する知識・経験を駆使してレピュテーションを獲得する(旧来のリンク獲得自体が目的のケースと違う)事を目的とした戦略・戦術企画力が必要となるという意味です。よってSEO担当と従来のマーケッタとはそもそも別れるべきではないのです。ご存知の方も多いかもしれませんが、従来のマーケッター素養とは知識だけでなく、人脈やメディアとのリレーション、消費者・ユーザーとのリレーションを含め何年にも渡る経験を元に地位を築く職種だということを思い出してください。

「コミュニケーション戦略の質」にフォーカスすべきでる。

これも繰り返しになりますが、数より質の時代になると語られています。多くのバックリンクを獲得するという時代から、サイトや記事をどういった視点でユーザーニーズに合致させたものとして企画立案するか、ニーズを構成する母体は現ビジネスに合致するか、またマーケティング上ユーザー、自社にとって十分な効果があるものなのかについてしっかりした戦略、それをペネトレートさせるためのメッセージ性やコミュニケーション計画についての質が重要となってくることは明白だと思います。
コンテンツマーケティングで成功するには、従来のマーケッターがやってきたようにあらゆるチャネルにおいて名声を得られるような活動をしなければなりません。とはいいつつも、大企業で無いかぎりこれは無理です。
ソーシャルメディア上で名声を獲得するためには、日々地道なコミュケーションプロセスを蓄積してゆくしか無いのにもうお気づきな方はいらっしゃると思いますが、こうした小さなことから発想を変えて地道に日々邁進してゆくことが今後ますます重要になってくると言えそうです。

今回ご紹介するインタビューは長文にわたっており、細かなテーマもさまざまに触れられていますが、まだ読んでいないかたは、こちらから是非確認してみてください。

また余裕がれば、このインタビューの詳細について解説記事なども執筆するかもしれませんので、ご期待ください。

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