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FacebookとかTwitterのソーシャルシグナルはランキングに影響あるのでしょうか?

2014年01月23日 ネズミ1号:略称「T」
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film.png今日はミシガンのライアンさんからの質問。「FacebookやTwitterのシグナルはランキングアルゴリズムの一部として活用されているのでしょうか?どれぐらい影響があるのですか?」

matt:いい質問だね。はい、ではちょっとこの質問の前にまずはお話しましょう。前提としてTwitterやfacebookページはWeb上に存在する他のページと同じようにWebインデックスという観点では扱われます。だからTwitterやfacebook上で更新された内容はクロールされますし、結果として検索結果にお目見えすることもあります。ここでは特にシグナルについて限定していいますと、Twitterで多くのフォロワーがいるとか、facebook上でたくさん「いいね」が押されていることが特別な理由として、それだけをページランクアルゴリズムに活用されているのかと言えば、私が知る限りそのような事はありませんと言っておきましょう。



matt:はい、ではその理由についてちょっと小話をしましょう。
まず、僕らはWebページをクロールして、facebookやTwiiterといったプロパティがあるな!と発見する訳です。実は過去に一度、facebookやtwitterのデータが半月か1か月ページ上から取れなくなったことがあったんですが..こういうシグナルに特化したデータを抽出しようという試みをしても、将来突然、一定期間であってもデータが取れなくなるようなことがあったら!?と僕らのエンジニアは疑心暗鬼になったことがあったのです。

matt:具体的なエピソードでいうと、グーグルはWebページをクロールし、価値のあるページをインデックスしているのはご存じのとおりです。その際にページの中のさまざまなデータを抽出するよう心掛けていますが、例えば、ソーシャルシグナルなどはあとで状態が変更することってありますよね。単純にOGPのシグナルの数というわけでなく、たとえば(アカウントの)関係ステータスが変わったり、フォロワーがブロックされたりとか。たとえば次のクロールしてデータを取って比べてみたとき我々では解析しきれないようは変化があったときどう判断するかが難しいんです。

たとえば、暴力夫を妻がブロックしたとかみたいな感じですね。奥さんのプロファイルと旦那のプロファイルリンクの関係性まで解析するのはちょっと..という感じがあるのも事実。つまり我々が把握しきれないという意味で、このように時々にころころ変わる可能性があるような指標を基にしたデータを積極的に活用するというのはエンジニアの立場からするとグーグル的には保障しかねるという感じなのです。

matt:おっと・・・誤解しないでくださいね。なにもソーシャルを僕を含めグーグルが使っていないという訳ではないのですよ。facebookやtwitterは多くの人をサイトに誘導できますし、新たなニュースを知るのに言ってみればすばらしい情報ストリームだと思います。だから、ソーシャル上でパーソナルなブランドを創ることは意味あることだと思います!

ただ、Webページに張り付けてあるfacebookの「いいね」やtwitterのつぶやき数や(フォロワー数)などグーグルがクロールしてデータを解析できる状態だろうと思われるかもしれませんが、多くのページやリンクは実はブロックされてデータがとれなかったり、nofollowだったりすることもあるのです。。

でもSEOのお話で、「どこぞのページにはfacebookから多くのリンクをもらっているし、ページランクも高い!」などと言っているお話もありますが、

これは相関関係があるということで、因果関係とは言えないのですね。。

すばらしいコンテンツであるならば、多くの「いいね」ボタンを獲得できるのは当然でしょうし、多くの方がこのページを引用したり、参照するリンクを張ること も当然起こりうる訳です。つまり良いコンテンツを作ると、Googleから評価されるだけでなく、facebookでもtwitterでも評価されるという事なのですね。

matt:はい、質問の参考になりましたでしょうか?
ただ一つ言っておきますとー。10年スパンで考えると、今以上に人々はこの記事はだれが書いたのかソースを知りたがるようになると思うんです。ただ、ほとんどの投稿とかは匿名(アノニマス)なんでしょうが。。。たとえば、デニス・オランドがフォーラムに投稿したら私なんかはその内容についてすごく本当に彼なのか、そうでないのか関心をもちますしね。10年スパンで考えると、グーグルはそうしたアイデンティティをより明確(officialなのでVitalとか)に判別できるようになるかもしれませんし、人々のソーシャル上の関係性などもより深く理解できるようになるかもしれません。

ただ、現時点ですと我々はクロールし、そこから知ることができるデータのうち僕らが自信が持てるデータを活用しているとだけ言っておきましょう。

ちょっと回りくどい言い方をしましたが、質問に対する答えの一つの文脈として汲み取ってください。

ねずみ小僧:本日はいつもよりだいぶ口数が多かったマット・カッツさんでしたが、自社で保証できないデータなので、ソーシャルシグナルについては正式には活用していないという表明のようでした。
ただ、ソーシャルシグナルとグーグルの評価の相関性は必然として肯定されていたのも事実。

Googleが重視していると思われるシグナル大胆仮説」でも書きましたが

「Socialでウケるということはやはりユーザーに支持されるコンテンツという事」という観点と、今後Identityが明確になればシグナルを積極活用していきたいという遠回しの言い方からGoogle+を使ってください!という本音も見え隠れしているように思いました。

個人的には、クロールがめちゃくちゃ早い評価の高いホスト(日本でははてB)などは、シグナルというよりは、信頼できるリンクとして影響度が高いような気がしています。Google+については、クロール速度が高まるというレポートもありますが、こちらは人と人の関連性やその人の信頼度などGoogleのさまざまなサービスと統合されたアカウントであるため把握ができるということなのでしょう。

10年スパンとマットさんは言っていましたが、今後はAndroidを基盤としたアイデンティティも確立する算段なのかもしれませんが、日本ではiPhoneが7割近くのシェアということもあり、SEOという観点では、海外とは若干違った指標も重要となるかもしれませんね。

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