これからのSEO -理論篇-

実務者のホワイトハット:プロダクトマーケティングそのものと捉えるべし!

2013年06月11日 ネズミ1号:略称「T」

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製品・サービス企画プロセスと同等のプロダクトマーケティングスキルが必要であると肝に命じろ!

検索結果はマーケットの縮図と述べましたが、まさに製品開発プロセスやサービス企画に準拠するプロセスがこの点で重要となります。
QDF/QDDというアルゴリズムがありますが、その時々の話題性や、ユーザーが打ち込むクエリワードについてどんな意図があるのか?また、その意図にふさわしい検索結果が表示されているか?と、Googleはあの手、この手で調整しているのです。「検索エンジンはマーケットの縮図」でもさんざん繰り返していますが、QW(クエリー・ワード)は検索者の「ニーズ・ウォンツ」を反映している鏡なのです。ここでは、「QWをどう捉えるかという考え方」と「プロダクトマーケティングに照らしあわせたサーチリザルトの捉え方」の基本について私の考えをまとめましたので参考にしてください。



QDF(Query Deserve Freshness)/QDD(Query Deserve Diversity)とは

翻訳するとQDFは、タイムリーで話題性に飛んだトピック、QDDは、サーチリザルト上でユーザーが意図して探しているであろう内容を多様性を持って提示すると訳すことができます。簡単に言うと、双方とも、ユーザーが検索窓に入力したクエリーワードから意図した結果を探せるようにGoogleが工夫して掲載内容を選んでいるということです。

例えば、日本語で"エコカー"と入力して検索してみると、検索結果は次のようになります。


eco-car-qw.png

図のサーチリザルトを見て行くと....

1位がトヨタのエコカーラインナップページ(俗に言うリストページ)
2位がWikipediaによるエコカーとは(低公害車)についての辞書ページ
3位がエコカーの画像検索結果
4位がスカイアクティブでCX-5などが今旬なMAZDAのエコカー減税対象車一覧
(マツダのエコカー)
5位がcarviewのエコカー減税対象車リスト(これも俗に言うリスト)

といったように、"エコカー"というクエリワードには、「エコカーとえばTOYOTAの○○」、「エコカーとは(エコカーの意味について調べたい)」、「エコカーってどんな車?画像を見てみたい」、「今、旬なエコカーは何処?」、「エコカー減税対象の車って?」といったように「エコカー」という入力ワードにさまざまな意図が潜んでいることがわかると思います。
Googleでは、ユーザーが入力したクエリーワードの意図をどう解釈するかという点を一番重視していると言われています。近年公開された資料より、一つの事例として、Googleではクエリタイプにより、Navigationalなクエリ、Informatinalなクエリ、Transactionalなクエリと大きく3タイプのクエリ群に分類して意図を解釈していると言われています。各クエリに関する分類・意味付けについては、下記表にまとめたのでご覧ください。

クエリタイプ意図推測パターン例
Navigational QW 企業サイトやブランド、芸能人やセレブ、政治家などの公式サイトをズバリ指名している意図
Informational QW 知りたい、買いたいと思っている対象に関する周辺情報について知りたいという意図
例)Wikipedia,価格比較情報,詳細スペック、ケース・スタディ、ユーザーによる口コミや体験談・レビュー等
Transactional QW オンラインで直接取引(トランザクション)したいという意図。
例)「長野の温泉旅館」というQWであれば、”予約”したいとう行為を実現するためのクエリということ。
この場合、予約サイトのリストページ(価格の安い順、ユーザー評価順など)比べることができるリストページや、細かい型番などまで指定されているクエリではアイテムの詳細ページなどを意図していると想像できると思います。

表からも分かるように、ひとえにキーワード(クエリワード)といってもユーザーが意図している内容は実にさまざまであることがお分かり頂けるのではないでしょうか?

実際に皆さんが検索する時も「○○とは」や良くわからないことなどは「名詞」+「動詞」といった複合キーワードで検索することが多いと思います。検索結果を見てズバリ探している情報がなんとなくあると思えるのは、GoogleのQDF、QDDといったアルゴリズムがきちんと機能しているからということを知っているといろいろな事が見えてくると思います。

ここで、もう一度、冒頭で「検索結果はマーケットの縮図」と言いましたが、ここまで来たら皆さんなんとなくイメージがついていたのではないでしょうか?サーチリザルトはユーザーの意図を反映し、上から順にボリューム(ニーズ)の多い結果が表示されている。これは言い換えると検索結果とは、顕在化したユーザーニーズが検索トラフィックという形で反映されたマーケットの縮図であるという言う事ができるのも納得ですね。

次に、一般的なマーケティングプロセスがどのように役立つのかという観点のお話です。

ホワイトハットでサーチリザルト上で上位を狙うという事は、ユーザーのためになるコンテンツやサイトを作ると良く言われていますが、ただ単に、コンテンツを投入すればいいというわけではないということにお気づきでしょうか?
ましてや競合サイトを見て良い所取りをしたパクリサイトを作ってしまったとしたら逆にペナルティを食らってしまっても可笑しくないでしょう。

実は本当の意味でのホワイトハットという手法はなく、自社のWebサービスやサイトがターゲットとする利用者意図(ニーズ・ウォンツ)について、他社または他サイトとは差別化できる便利な情報やサービスを提供してるのかという問いかけから始めるべきなのです。

このプロセスは、製品やサービスの開発プロセス、旧来のマーケティングプロセスといった考え方に当てはめると、非常に道理にかなった考え方と言えます。

一般的なマーケティングプロセス(ここでは広義な意味でプロダクトアウトも含みます)は1.セグメンテーション、2.ターゲティング、3.ポジショニング、4.マーケティングミックスの4つのプロセスに集約されます。上流ではミクロ・マクロ分析というプロセスもありますが、ここでは割愛します。詳しくは「SEOとマーケティング・プロセスはどうつながる?」を御覧ください。

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