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これから検索結果に挿入されるin-depth article。影響について考察

2013年08月09日 ネズミ1号:略称「T」
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インフォメーショナルクエリによるSERPs風景が一変する!?

昨日は、GoogleのWebMaster Central Blogに掲載された「Discover great in-depth articles on Google」をヒントに、今後Googleが行こうとしている方向性などについて考察してみましたが、今日は、北米からスモールロールアウトしていくと言っているin-depth article(深堀コーナー)について、これが実際に日本でも導入された際にSERPS上の風景がどう変容するのか、また各QWに関して現在ポジション優位になっているサイトにとってどういった影響がでるのか、近視眼的な側面で考察してみたいと思います。



検索結果内に表示される「深堀記事サジェスト(in-depth-article on Google)について詳説

ナレッジグラフに続き、in-depth-articleがメジャーロールアウトされることで、昨日は「ちょっとググって見る」から「うーんなるほど」という観点で、今後SERPS上の滞在時間の変異の可能性や、スキーマデータ(構造化)データを活用したインテリジェントなGoogleの今後の方向性などに触れましたが、今日は、直近どういう影響が出そうか考察してみます。

その前に、昨日は端折っておりました、In-depth artcileについてDiscover great in-depth articles on Googleより、まずは逐語訳したものを紹介します。

8/6/13 | 11:00:00 AM 

広義なテーマに関する事を理解しようとしている場合、あっちを見たり、何度もキーワードを変えて検索し直したり面倒な作業をショートカットして簡単な答えがほしいなぁと思うことってよくあることではないでしょうか?Googleが調査したリサーチにおいて、日々人々が検索しているインフォメーショナルクエリ(QWに関連する情報を欲するクエリ)の10%がこうしたニーズがありそうだと発見したとのこと。ちょっと例を挙げると、“肝細胞”というQWや、“幸せ”、“恋”といったものが該当します。

ということで、2・3日のうちにこうしたニーズに対応した新しいユーザー体験ができる機能を検索結果の主たる部位に実装します。
具体的には、広い意味を持つインフォメーショナルな検索ワードに対し、さまざまな角度から深堀した適切な記事を何記事か表示するコーナーが検索結果1ページ目に設けられるようになります。

今後数日すると、google.com上で、英語で広めの意味を持つ検索キーワードで検索してみてください。下のような新しいブロックが検索結果上に挿入されているのを確認できるようになります。

例えば、“検閲”というワードについて気になって調べてみたとしましょう。すると、ハッとするような、またはなるほどと関心してもらえるようなさまざまな切り口や見地からの記事がリストアップされているはずです。"検閲"と英語で検索した場合は、インド出身のイギリスの作家サルマン・ラシュディさんがニューヨーカーに執筆した"検閲"に対してライターとしての考えを述べた記事やガーディアン誌に掲載されたGoogleのシュミッツさんとJared CohenによるボーダレスなWeb世界が何らかの形で検閲されている(PRISM計画の暗示?)という論評記事、そしてイランによる新たなインターネット検閲に関する記事などが表示され、"検閲"という漠然とした広義なテーマについて、紙を書くジャーナリストや作家の立場、Web上での言論・プライバシーの自由についてシュミットさんなど業界を代表する人の論評、はては、イランという米国とは相対する国でのインターネット検閲といったように多様な角度からの深堀記事が表示されるようになります。

もっと気楽に“Lego”と検索してみると、Lego社の由来に関するブルグバーグのビジネス記事、Smithonian.comによるLegoの研究開発(R&D)に関する取材記事からNewYorkTimesオンラインに掲載のLegoを使ったFineArt記事などが表示されます。この"深堀コーナー"をより理解するために、population growth(人口成長率), capital punishment(死刑) そして e-waste(電子精密機器廃棄物)といったQWを検索してみてください。

今後深堀記事コーナーがより機能するために、執筆する記事や公開するWebサイトについて皆さんがWebMasterCentralBlogでアナウンスしたアトリビュート対応(構造化の対応のためのマークアップ)を積極的に行っていただければ幸いです。なぜなら、恒久的に価値の変わらない、適切な役立つ記事などであれば、数年前のものであっても、この「深堀コーナー」にピックアップされるようになるのですから。

今日書いた記事でも、遠い将来に脚光を浴びるようになるかもしれませんということです。追加補足すると、今まであまり注目されなかった記事やブログなどにも光が当たるかもしれません。もしあなたがメディアサイト運営者や広義な意味でのサイト管理者でしたら、help center articleWebmaster Central blogを参照して対応すべき事柄を是非確認してください!

対応すべき内容については、ねずみ小僧が書いたこちらの記事の「具体的にはどういう対応が必要か?」を参照ください。

ねずみ小僧的な考察

ポイント1:現在上位表示サイトについて、インフォメーショナルなポジションで安定している4位から5位サイトのトラフィックが劇的に落ちる可能性も

広義な意味を持つ検索ワードについて、今後SERPS上の特等席(おそらく、2位と3位ぐらいのスペースに"深堀スニペットコーナー"が割り込むことになるでしょう。ファーストビューにあたる1位から5位に該当するスペースに“深堀コーナー”が事例によると少なくとも3つから入るようですので、現在3位にいるようなポジションのページやサイトは、クリックスルーレートが30%から40%近く落ちるかもしれません。

ポイント2:インフォメーショナルポジションとして認知されているサイトやページにチャンス到来!?

特にHowto系やWhy系、Because系、On the otherhands系、Another point of vew系の記事やブログそれも、数年前に書かれたようなものまでschema.orgなどによるマークアップに対応し、構造化対応してゆくことで、1ページ目に表示されるチャンスがあります。(個人的にはマークアップ対応していなくても、最低限rel=authorや企業ロゴアトリビュート対応しておけば、Googleはきちんと拾ってくれるのではないかと推測しています)

ポイント3:アフィリエイト狙いのThin contentsは撲滅する?

インフォメーショナルクエリを狙ったポジションは、現在リード獲得狙いのアフィリエイターの主戦場になっているように思います。「深堀コーナー」では本当に内容があるものしか表示されないこととなる想定ですので、アフィリエイトサイトが検索結果1ページ目のクリックスルーレートが高い部位での掲載は今後ますます難しくなるかもしれません。

まとめ:実は短期的にみても、メジャーロールアウトされた暁にはSERPS上の風景は一変するかもしれない

GooglePlaceがSERPS上に登場したときも、UUが激減して悩んだご担当も結構いらっしゃるかもしれません。GooglePlaceは、IPやログイン状態などによる位置情報を特定した場合において、検索結果画面の上部に場合によっては6段近くのスペースが占有されました。GooglePlaceについては、QWが場所とマッピングされた場合の実店舗や実ランドマークがあるものが対象でしたが、深堀コーナーは、場所ではない、もっと抽象的な広義なエリアがターゲットになると推測できます。さすがに、Side by Sideなどでユーザーエクスペリエンス実験データも収集しているはずですので、GooglePlaceコーナー、GoogleImageコーアー、深堀コーナーが1つ以上組み合わされてSERPS上を占有することはないと思いますが、PCとモバイル上での検索結果やログインしている時としていない時とでは確実に違うものとなってくるはずです。

多くの方がGRCなどで、順位とトラフィックを想定していると思われますが、今後Andorid、Tabletが主要ウィンドウとなってくることを想定すると、順位をベースとした予算計画が立てにくくなるかもしれません。このブログを見られている方の中にはすでに認識している方も多いとは思いますが、ほとんどの方が運用するサイトのログをみると、30%近くのトラフィックがもうスマホからである事実を体感している方も多いかもしれません。
今後PCとモバイル双方のデータ分析が必須となってくるでしょうね。

PS:toねずみ2号さんへ:WebmasterHelpビデオがアップされているようですが、明日も仕事で早いので、更新は明日またします!

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